え?これ思うの自分だけ?

ニッチな考えOKな人だけ、わかるかも?

【心理ホラー】ザ・ギフト【映画 感想】

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深く考えさせれることが多くてかなり面白かったです。
身から出た錆び、自業自得、がピッタリな話ですね。
いろいろと含みを持たした部分が多かったですが、
個人的な解釈を書いていこうと思います。

『まず、ロビンの子供は誰の子供?』
答えははっきり出ていませんでしたが、サイモンの子供だと思います。
もともとゴードに対して事実無根のことをサイモンが吹聴し、
サイモンがいじめられたり父親が投獄されたりしてしまった。
だからこそ、ゴードはロビンにはなにもしていないけれど、
あたかも何かをしたかのような映像で仕返しをしたんだと思います。
「子供の目をみれば分かる」と言っていましたが、さっぱり分かりませんでした。。。
サイモンに負けじと必死で見てたのにカーテン閉められるし笑
あと、ゴードが「いい人にはいいことがないと」と言っていたことから、
ロビンに危害を加えることはないと思います。
ただでもあの隠し撮りとかしてたDVDをロビンに見せられたら不気味なゴードそのまんまですけどね!

『じゃあ何でコイを殺したの?』
コイはゴードのプレゼントで、サイモンを試すためのアイテムでしたから
コイが全滅したことで全て終わりだというメッセージだと思います。
プレゼントを送ってサイモンが過去のことを謝ってくるかなと思っていたけれど、
直接関係を切る宣言をして、さらに弁護士を雇って接近禁止命令まで出したり
イケイケすぎるサイモンにはまたやられた気持ちになったでしょう。

『あれでゴードの復讐は終わったの!?』
たぶん一旦はこれで終わらせようとゴードは思ったでしょう。
骨折を偽装した腕を支える布を降ろすと共に幕を降ろしたというメッセージかと思います。
子供生まれたばっかりで仕事も無くし、妻からも愛想をつかされたサイモン。
もうなにも残っていないので、あのあとがどうなったのかそっちの方が気になります。
本当に反省してゴードに謝り直したか、終わったことにして独り前に進んだのか。
どちらにしろ、サイモンの自分だけ良ければ他人を騙して蹴落としてもいいという性格が直らなければなにやってもうまくいかないでしょう。

個人的には、一寸先は闇だなぁと思ってしまい、自分も慎重に誠実に生きなきゃと緒を締め直す気持ちになりました。
だって転職して故郷に帰ってきたら、自業自得とはいえ、短期間で仕事も家庭も全部なくしてしまったんですよ。
別に変な生き方をしてきたつもりもないですが、何があるかわからないなぁと思ってしまいました。


■ネットの他の人の感想
これっぽっちもえぐいシーンはないけどただただ怖いです。
隣人だけでなく誰もかれも信じられなくなるけれど、全く予想の展開と違いました。
じわじわ送られるギフトに加え、小さなひとつひとつの不信感がどんどん増大して
人間関係が崩れていくのが怖い。
ラストの展開、どっちなのか、ずっと不信感拭われないままこれから続くんだろうなー。怖。

人が人を信じるとはどういうことなのか、人間性の本質とは一体なんなのか非常に考えさせられる。夫をただ傲慢で意地悪な人間であると簡単に斬り捨てることはできない。自分にも確実にそういった側面は存在している。

話が進むにつれて気色悪かったゴードが良い人に思えてくる…
初めから復讐するつもりで近づいたのでは無かった気さえしてくるから不思議。
ゴードに許しを得ようと現れたサイモンの場面は、本当にサイモンのクズっぷりに引きました…
こいつは最低です。それでもゴードは「謝るのはもう遅すぎる」というような事を
言っていたので、サイモンがもっと早くゴードへの数々の過ちについて、
真摯に心から謝罪する姿勢を見せていたら許すつもりはあったという事なのかもしれない…
そんなゴードをボコボコにして捨て台詞を浴びせるサイモンは人間として終わってます。
鯉を殺したのも犬を誘拐?したのもゴードじゃなくて、
ハメられたもう一人のメガネでは?とも思う。
人を陥れる卑しい奴の根性はそうそう変わるものじゃないですね。
最後ゴードの「嘘をつく人間は人を信じる事が出来ない。
気持ちを弄ばれた人間の気持ちがこれで少しでもわかったか?」
の言葉はとても悲しいけれど、サイモンへの復讐心の中にゴードの思いやりを感じた。

妻はこれから仕事も再開して、子供のために逞しい女性へとなっていくだろう。
根本的に価値観の合わない人間の支配から逃れられたので、これはハッピーエンド。
旦那は自分の罪で妻まで巻き込んでしまったことに後悔して何やら悔いただろうし、
過去の罪も本当は怖くて乗り越えられてなかっただろうから、ある意味精算。
また嘘をでっち上げることもないと思いたい。ので少しまともになったことでハッピーエンド。
ゴードンは落胆する旦那を見てやっと納得したっぽかったので、
ハッピーとまではいかなくとも、少しは気が晴れたであろう。
三人ともこれから別々の方向をあるいて、やっと自分自身と向き合って生活していけるのでは。
妻は旦那に支配されてたし、旦那は妻を支配することで
自分の過去を肯定しようとしてたし、ゴートンは過去にずっと囚われてたし。
三人とも解放されたのだからハッピーエンド。
これが最後のギフトでしょう。

よくあるサイコ野郎ものかと思って観ていた。
すると、意外や意外。話は予想とは全く違う方向へ。
結局、ゴードンが手を下した悪事らしい悪事で確定しているのは、
最後の座まで住居侵入くらいだった。
子供も結局どっちかわからない。犬も迷っていただけかも知れない。
ただただゴードンの過去に怯えた旦那の思い過ごしだった可能性の方が高い。
そして、何よりこの旦那こそ曲者だった。この展開は意外で良かった。
話は至ってシンプル。だが、ここまで観客を惹きつけるのは演出が上手いこともあるだろう。
観る価値は充分。面白い

か弱い奥さんを包容力のある旦那が支えながら変態の同級生に立ち向かっていく
クリーピーみたいな内容を想像したが、何やら違う。
途中からは、怖さより謎解きで引きつけられていく。
こんな中盤から旦那が関与している?ようなことを匂わせていいの?と思ったが
さらに先が気になる。マクドナルドさんの書類も出てきて、さらに嫌な予感がジワジワ。
やめて、旦那は、優しい人であってほしい。あれだけ不気味だったゴードが
普通の人に見えてくるから不思議だ。
旦那が過去を隠したい気持ちはよく分かる。でも人間の本質というものは、変わらないんだね。
また同じような道を辿ってしまう。他人を落とし入れて、自分だけ幸せになろうとする。
最後奥さんの病室を訪れたゴードが小さな花束を持ってお祝いに来たけど、
奥さんには悪いことをしたというお詫びの姿に見えて、これから普通の人生を歩んでいければいいね。だって、崩れ落ちた旦那はきっとまだ反省してないもん。
何もかも失って愕然としてるだけ。喪失感を味わうのはこれからでしょう。
パラノーマルアクティビティとはまた違う人間の悪意が生む悲劇を考えさせられる話だった。